SG初優出、強豪女子レーサーは“大家族” 寺田千恵
SG初優出、強豪女子レーサーは“大家族” 寺田千恵
2001年6月、最上位に格付けされるSGレースの優勝戦に女性で初めて進出した。有利とされる1号艇の出走となり、女性SG覇者の誕生が期待されたが結果は5着。それでも観客席からは大歓声と惜しみない拍手が送られたという。
ボートレースでは男女が同じステージで争う混合戦も多い。直線では体重の軽い女子の方が伸びるものの、コーナーでは弾き出されてしまうため不利となる。強豪が集まるSGで女子レーサーが優勝戦に残ったことは快挙だった。
幼い頃、北九州市の若松ボートレース場の近くに住んでいたこともあり、父親の勧めでボートレーサーを目指したという。小学4~6年に経験した空手、中高の軟式テニスで得た下半身の安定感がボートの安定感につながっているそうだ。
「冬は寒くカポック(救命胴衣)に氷が付くのを割りながら乗艇した」という本栖研修所(ボートレーサー養成所「やまと学校」)を卒業後、プロデビュー5走目で初勝利を飾るなど当初から注目を集めた。現在もファン投票で選出される笹川賞をはじめSGレースの常連である。
今年初開催となった賞金女王決定戦にも選出され、「出場するからには最後まで優勝を目指す」と意気込んでいた。
夫、父、母、長女、義弟、義妹、甥の8人家族。「みんなが笑って暮らせるくれるように」と家族への思いを語る。
「すごくかっこいいレースができるわけじゃないですが、ファンに楽しんでいただけるレースを心掛けて走っています。お金もですが、応援の方も忘れずにお願いします」とアピールした。
■寺田千恵(てらだ・ちえ) 1969年生まれ。89年、初出走。94年、宮島で初優勝。2007年、GI初優勝。夫はボートレーサーの立間充宏選手。157センチ、45キロ。
Q.プロになるまでに苦労したことは?
「体力がないし、体重が足りなかったので増量が苦しかった」
Q.プロになってから苦労したことは?
「プレッシャーが重たく感じたとき、プレッシャーは人の思いや期待で、自分を応援してくれているものだと思えるようになったら楽になりました」
Q.目標は?
「少しでもファンの方に、レースを見て良かったと思ってもらえる様なレーサーになりたい」
Q.女子レーサーとしての苦労は?
「まだまだ、女性用の施設が充実してないこと」
Q.目標のレーサーは?
「瓜生選手。レーサーとしても人としても、器の大きさを感じます」
Q.ボートレースの魅力は?
「何があるか分からないところ」
Q.ベスト体重の保ち方は?
「毎日体重を量って、一定を保つこと。少し重くなりすぎると、嵐の曲を聞きながら有酸素運動をすること。人には見せられませんが」
Q.オフの過ごし方?
「主人とゴルフです」
Q.好きな食べ物と嫌いな食べ物は?
「茶碗蒸しが好きで、ゴーヤが嫌いです」
Q.プライベートの服装は?
「最近はスカートをよくはきます」
Q.レースの移動や旅の必需品は?
「仕事→マスクと飲み物を入れるポット(ホットを入れる)。プライベート→薬(自分にあったもの)」
Q.ボートレースを見たことはない人へ
「私は気持ちを入れて最後まで走っていますので、最後まで見てください」